株式会社HUMEDIT

医療SEOとは|病院・医療法人が狙うべき3本柱を実測データで解説

病院の医療SEOは、患者集客だけを目的にすると失敗します。実測データから見えた優先領域は、採用・健診・地域医療連携の3つです。

私たちがAhrefs APIで実測したところ、「看護師 求人」は月12,896回・難易度0でクリック単価が5.00ドル、「人間ドック」は月9,390回・難易度0でした。一方で「病院 ホームページ」は難易度72の激戦です。

病院にとって最大の経営課題は人材確保であり、最も収益性が高い自費領域は健診です。 そして紹介患者を送ってくれる地域の診療所は、そもそも患者ではありません。この3つはいずれも、クリニックのSEOとはまったく違う設計を必要とします。

この記事では、実測した34語のデータを公開しながら、病院・医療法人のSEO設計を解説します。私たち株式会社HUMEDITは、グループで11院・多科目の運営に関わり、医療機関のサイト制作とシステム開発を内製してきました。

単院のクリニックで症状キーワードを狙う設計については、クリニックのSEO対策をご覧ください。本記事は病院・医療法人・複数拠点を対象としています。

この記事でわかること

  • 病院SEOの3本柱と、それぞれの実測データ
  • 採用キーワードが月37,840回・すべて難易度0という事実
  • 採用ページが医療広告規制の対象外である理由
  • 健診・人間ドックが自費収益源として最も狙いやすい理由
  • 地域医療連携ページという未開拓のBtoB領域
  • 大規模サイト固有の構造設計とカニバリ対策
  • 組織としての監修体制(ガバナンス)の作り方
  • 自院サイトの診断チェックリスト40項目

本記事の検索数・難易度は Ahrefs API v3(country=JP)による2026年7月時点の実測値です。


病院のSEOはクリニックと目的が違う

クリニックのSEOは新患獲得が目的です。病院のSEOは、採用・自費収益・紹介患者の3つが目的になります。

目的の違い

クリニック 病院・医療法人
主な目的 新患の獲得 採用・自費収益・紹介の獲得
主な検索 症状名、地域名+診療科 求人、人間ドック、連携
意思決定者 患者本人 求職者、健診受診者、紹介元の医師
商圏 半径2〜5km 二次医療圏〜都道府県
サイト規模 20〜50ページ 200〜1,000ページ
更新の担い手 院長・事務長 広報部門・情報システム部門
監修 院長1名 診療科別に複数の医師

病院が「病院 ホームページ」を狙ってはいけない理由

実測では「病院 ホームページ」の難易度は72でした。制作会社とポータルサイトが上位を固めており、病院自身が上位に入れる市場ではありません。

キーワード 月間検索数 KD
病院 ホームページ 72 72
病院 マーケティング 78 0
病院 広報 70 0
医療 ライター 551 0

そもそも検索数が72回しかありません。 病院が狙うべき市場はここではありません。


【実測データ】病院SEOの3本柱

採用・健診・地域医療連携の3本柱を柱の図で表した図

採用・健診・地域医療連携の3領域で、合計月65,315回。しかもほぼすべてが難易度0です。

領域 語数 合計月間検索数 難易度の傾向
採用 6 37,860 すべて0
健診・人間ドック 10 26,755 8語が0
入院・費用 4 4,147 0〜2が中心
地域医療連携 5 730 ほぼ0
病院選び 7 1,134 ほぼ0
合計 32 70,626

3本柱を順に見ていきます。


第1の柱:採用

求人ページから応募者が集まる流れを表した図

採用キーワードは月37,860回・すべて難易度0で、クリック単価は最高5.00ドルでした。病院サイトで最も投資効率が高い領域です。

実測データ

キーワード 月間検索数 KD CPC
看護師 求人 12,896 0 $5.00
看護師 転職 8,972 0 $3.50
医療事務 求人 7,292 0 $0.20
薬剤師 求人 6,643 0 $4.00
医師 求人 2,037 0 $1.00
病院 見学 20 0 $0.25

6語すべてが難易度0です。 そしてCPCの高さは、求人媒体がこの市場に高額な広告費を投じていることを示しています。

なぜ自院サイトで獲る価値があるのか

項目 求人媒体 自院サイト
費用 掲載料・成功報酬 制作費のみ
継続性 掲載期間のみ 資産として残る
情報量 枠の制限がある 制限なし
応募者の質 媒体の登録者 自院を調べて応募
競合との並列 他院と並べて比較される 自院だけを見てもらえる

看護師の紹介手数料は年収の20〜30%が相場です。 1名の採用で数十万円から百万円規模の費用が発生します。自院サイトからの直接応募が年に数名増えるだけで、SEOの投資は回収できます。

地域名との組み合わせが本命

「看護師 求人」単体は全国規模の検索です。実際に狙うのは地域名との組み合わせになります。

階層 競合
全国 看護師 求人 求人媒体が独占
都道府県 〇〇県 看護師 求人 求人媒体が強い
市区町村 〇〇市 看護師 求人 狙える
駅名 〇〇駅 看護師 求人 狙いやすい
条件付き 〇〇市 看護師 求人 日勤のみ ほぼ競合なし
病棟・領域別 〇〇市 看護師 求人 手術室 ほぼ競合なし

「条件付き」まで下りると、求人媒体は個別ページを作っていません。 ここが病院の勝ち筋です。


採用ページが医療広告規制の対象外である理由

求人ページは患者の受診を誘引するものではないため、誘引性の要件を満たさず、医療広告規制の対象外です。

これは病院にとって大きな利点です。

何が変わるか

診療案内ページ 求人ページ
医療広告規制 対象 対象外
比較優良表現 不可 規制なし(ただし虚偽は不可)
体験談 治療効果に関するものは不可 スタッフの声を掲載できる
数値の訴求 慎重に 自由度が高い
適用される法令 医療法・薬機法等 職業安定法・労働基準法等

スタッフの声を掲載できる点が最大の違いです。 診療案内では患者の体験談を掲載できませんが、求人ページでは在籍スタッフのインタビューを自由に載せられます。

ただし注意点はある

注意 内容
労働条件の明示 職業安定法にもとづく明示義務がある
虚偽の記載 実態と異なる労働条件は不可
診療内容の宣伝を混ぜない 混ぜた部分は医療広告に該当し得る
URL構造を分ける 求人と診療案内を別ディレクトリに

求人ページに診療内容の宣伝を混ぜないでください。 「地域No.1の症例数を誇る当院で働きませんか」のような表現は、患者も閲覧する以上リスクがあります。


採用ページの作り方

求職者が知りたいのは、給与・休日・人間関係・成長機会の4つです。この4つに具体的に答えてください。

必要なページ構成

ページ 内容
採用トップ 募集職種の一覧、応募までの流れ
職種別ページ 看護師/医師/薬剤師/医療事務/リハビリ職
部署・病棟別ページ 手術室/ICU/外来/訪問看護
給与・待遇ページ モデル年収、賞与、各種手当
働き方ページ 勤務シフト、有給取得率、産休・育休の実績
教育・研修ページ 新人研修、資格取得支援、学会参加
スタッフインタビュー 職種別・経験年数別に複数名
1日の流れ 職種別のタイムライン
施設・設備紹介 更衣室、休憩室、託児所
よくある質問 応募前の疑問
病院見学の案内 申込方法、所要時間
エントリーフォーム 応募・見学・問い合わせ

部署・病棟別ページを作っている病院はほとんどありません。 「〇〇市 看護師 求人 手術室」のような検索に対応でき、かつ応募者のミスマッチも減ります。

給与を書くかどうか

対応 結果
書かない 応募が減る。求職者は必ず調べる
「規定による」 同上
モデル年収を提示 応募が増える
内訳まで提示 最も応募が増える

モデル年収の内訳を示してください。 基本給・夜勤手当・賞与の内訳があると、求職者が自分の場合を計算できます。

有給取得率と産休復帰率

数値で示せると強い項目です。

指標 効果
有給取得率 定着率の裏付け
産休・育休からの復帰率 長く働けるかの判断材料
平均勤続年数 同上
離職率 出せるなら最も強い

求人ページは医療広告規制の対象外なので、これらの数値を訴求できます。 ただし虚偽は不可です。実数を出してください。


第2の柱:健診・人間ドック

人間ドックの検査項目とチェックリストを表した図

健診・人間ドックは月26,755回・8語が難易度0でした。保険外の収益源であり、病院の設備を活かせる領域です。

実測データ

キーワード 月間検索数 KD
人間ドック 9,390 0
人間ドック 何歳から 4,644 0
人間ドック 費用 3,371 0
胃カメラ 費用 2,721 0
脳ドック 1,985 0
がん検診 1,943 11
健康診断 費用 1,259 0
PET検査 費用 756 0
大腸カメラ 費用 554 0
レディースドック 132 6

「人間ドック 何歳から」が月4,644回・難易度0です。 受診を検討し始めた層が調べる典型的な質問であり、対応しているページはほとんどありません。

自費なので限定解除が必要

人間ドックは保険適用外です。したがって費用を掲載するには限定解除の4要件を満たす必要があります。

要件 人間ドックでの対応
要件1(媒体) 自院サイトなので満たす
要件2(問い合わせ先) ページ内に電話・フォームを明示
要件3(内容・費用) コース内容と総額(税込)を明示
要件4(リスク・副作用) 内視鏡・造影剤等の偶発症を記載

要件4を書いていない病院サイトが多くあります。 内視鏡検査には偶発症のリスクがあり、造影剤にはアレルギーのリスクがあります。記載してください。

人間ドックページの構成

ブロック 狙う検索
1 人間ドックとは(1文の結論) 人間ドック
2 健康診断との違い 人間ドック 健康診断 違い
3 受診の目安となる年齢 人間ドック 何歳から
4 コース一覧と検査項目の比較表 人間ドック コース
5 費用(総額・税込) 人間ドック 費用
6 所要時間・当日の流れ 人間ドック 時間
7 前日・当日の注意事項 人間ドック 前日
8 検査に伴うリスク・偶発症
9 結果が出るまでの期間 人間ドック 結果
10 再検査になった場合の流れ 人間ドック 再検査
11 保険適用・補助金の有無 人間ドック 補助
12 よくある質問 派生検索
13 予約導線

10番と11番を書いている病院サイトは少数です。 再検査への不安と、費用補助の有無は、受診を迷う人が最も知りたい情報です。

健診は法人営業とも接続する

企業の定期健康診断は、法人契約で継続的な収益になります。

ページ 対象
個人向け人間ドック 個人
企業向け健診 総務・人事部門
特定健診・特定保健指導 保険者
巡回健診 企業

企業向けページは、患者ではなく総務担当者が読みます。 料金体系、受診人数の目安、結果の提出形式、労働安全衛生法上の項目への対応を書いてください。


第3の柱:地域医療連携

診療所と病院が紹介状でつながる連携を表した図

地域医療連携のキーワードは検索数が小さいものの、ほぼ手つかずの領域です。読むのは紹介元の診療所の医師・スタッフです。

実測データ

キーワード 月間検索数 KD
紹介状 書き方 404 1
病診連携 171 0
医療連携室 94 0
地域医療連携 51 0
逆紹介 10 0

検索数は小さい領域です。しかし1件の紹介が入院・手術につながる可能性があるため、1検索あたりの価値が桁違いに高くなります。

連携ページに書くこと

項目 内容
連携室の連絡先 直通電話・FAX番号・受付時間
紹介の手順 予約の取り方、必要書類
紹介状の様式 ダウンロードできるPDF・Word
対応可能な検査 CT・MRI・PET等の機器と予約枠
診療科別の受入体制 誰がどの疾患を診るか
医師紹介 専門領域・所属学会・経歴
検査の共同利用 開放型病床・検査の受託
逆紹介の方針 安定後に戻す運用
連携実績 紹介元の件数など
症例検討会・研修会 開催予定

「対応可能な検査」と「診療科別の受入体制」が最も見られます。 紹介元の医師は「この患者をどこに送れば診てもらえるか」を判断するために読みます。

医師個人が見えることが決定的

紹介は、病院ではなく医師個人に対して行われます。

実装 内容
医師紹介ページ 診療科別・医師別に個別ページ
専門領域 具体的な疾患名で記載
経歴 出身大学、前職、留学歴
所属学会・認定資格 認定団体名を併記
論文・発表 主要なもの
外来担当日 曜日と時間
構造化データ Physician型で記述

医師の一覧が名前と診療科だけのページになっている病院が多くあります。 紹介元が判断できる情報を載せてください。


大規模サイトの構造設計

病院サイトの階層構造を樹形図で表した図

病院サイトは200〜1,000ページ規模になります。ディレクトリ構造を最初に決めないと、後から収拾がつかなくなります。

推奨する構造

/                        トップ
/departments/            診療科一覧
  /departments/naika/    内科
  /departments/geka/     外科
/outpatient/             外来のご案内
/inpatient/              入院のご案内
/checkup/                健診・人間ドック
  /checkup/ningen-dock/  人間ドック
  /checkup/corporate/    企業健診
/renkei/                 地域医療連携(紹介元向け)
/doctors/                医師紹介
  /doctors/{name}/       個別
/recruit/                採用情報
  /recruit/nurse/        看護師
  /recruit/doctor/       医師
/news/                   お知らせ
/about/                  病院概要

ディレクトリを分ける理由

ディレクトリ 対象 規制
/departments/ /outpatient/ 患者 医療広告規制の対象
/checkup/ 患者(自費) 限定解除4要件が必要
/renkei/ 紹介元の医療機関 対象(誘引性の判断が微妙)
/recruit/ 求職者 対象外

規制の適用が違う領域を、URLで分けてください。 管理もチェックも格段に楽になります。


複数拠点・分院のカニバリ対策

医療法人が複数の病院・クリニックを運営している場合、同じキーワードで自院同士が競合します。

カニバリが起きやすい箇所

箇所 対策
各拠点の「内科」ページ 拠点名を含むタイトルにする
各拠点の「人間ドック」ページ コース内容の違いを明記
法人サイトと拠点サイト 役割を分ける
採用ページ 法人一括か拠点別かを決める

法人サイトと拠点サイトの役割分担

サイト 役割
法人サイト 理念、沿革、拠点一覧、法人としての採用、IR的情報
拠点サイト 診療科、外来、入院、アクセス、拠点の採用

同じ内容を両方に載せないでください。 法人サイトに診療科の詳細を置き、拠点サイトにも同じ内容を置くと、どちらも評価が下がります。

ドメインを分けるか統合するか

方式 利点 欠点
単一ドメイン+拠点ディレクトリ 評価が集約される 拠点の独立性が下がる
拠点ごとに別ドメイン 拠点ごとに最適化できる 評価が分散する。管理が増える
サブドメイン 中間 評価の扱いが読みにくい

新規に設計するなら単一ドメイン+ディレクトリを推奨します。 すでに別ドメインで運用している場合、統合には301リダイレクトの設計が必要で、リスクも伴います。既存の順位を確認したうえで判断してください。


組織としての監修体制

病院では診療科ごとに監修者が変わります。誰がどのページを監修するかを一覧で管理してください。

監修管理表の例

ページ 診療科 監修医師 最終監修日 次回見直し
内科のご案内 内科 〇〇部長 2026-04-01 2027-04
糖尿病外来 内分泌 〇〇医長 2026-05-15 2027-05
人間ドック 健診センター 〇〇センター長 2026-06-01 2027-06

この表をスプレッドシートで管理してください。 監修者が異動・退職したときに、どのページを引き継ぐかが即座に分かります。

見直しの周期

内容 周期
診療科の案内 年1回
費用が記載されたページ 改定時に必ず/年1回
医師紹介 異動時に必ず/年2回
外来担当表 変更時に必ず
健診コース 年1回(料金改定時)
採用の労働条件 年1回(規程改定時)

費用と医師情報が古いまま放置されている病院サイトが非常に多くあります。 実際と違う情報は、虚偽広告と判断されるおそれがあります。

部門間の役割分担

部門 担当
広報 記事の企画、原稿作成、公開判断
各診療科 医学的内容の監修
医事課 費用・保険の記載確認
人事 採用ページの労働条件
情報システム サイトの技術面、セキュリティ
事務長・管理者 最終承認

承認フローを1枚の図にして共有してください。 誰の承認が必要か分からないと、更新が止まります。


病院サイトの更新が止まる理由

更新が止まる病院サイトには共通点があります。制作会社に依頼しないと1文字も直せない構造になっていることです。

止まる原因

原因 対策
更新のたびに制作会社へ依頼 CMSで自院が更新できる範囲を広げる
承認フローが不明確 フロー図を作成し共有
担当者が兼務で時間がない 月次の作業時間を業務として確保
何を書けばよいか分からない 年間の更新計画を立てる
診療科が非協力的 監修管理表で責任を明確に
効果が見えない Search Consoleの数値を月次で共有

最後の項目が効きます。 「先月は〇〇のページが月〇〇回表示された」という数値を院内で共有すると、協力が得られやすくなります。

自院で更新すべき範囲

内容 担当
お知らせ・休診情報 自院(必須)
外来担当表 自院(必須)
医師紹介 自院
採用の募集要項 自院
健診の料金 自院
診療科の解説記事 自院+外注
デザイン変更・機能追加 制作会社

休診情報と外来担当表は必ず自院で更新できる状態にしてください。 ここを外注に依存すると、患者に迷惑がかかります。


技術的SEO(大規模サイト固有)

ページ数が多い病院サイトでは、重複コンテンツとクロールの効率が課題になります。

項目 確認内容
XMLサイトマップ 全ページが含まれているか。分割が必要な規模か
パンくずリスト 全ページに設置し、構造化データも実装
重複コンテンツ 拠点別ページ、印刷用ページの重複
canonicalタグ 重複が避けられない場合に指定
404 リンク切れの定期チェック
旧URL 過去のリニューアルからのリダイレクトが生きているか
PDFの扱い 検索結果に出る。タイトルを適切に
検索機能 サイト内検索の結果ページをnoindexに
表示速度 画像の最適化。LCP 2.5秒以内
モバイル 全ページで横スクロールが発生しないか

PDFの扱い

病院サイトには広報誌、診療実績、様式のPDFが多く置かれます。

対応 内容
ファイル名 日本語または意味のある英数字に
PDF内のタイトル プロパティのタイトルを設定
HTMLページを用意 重要な内容はHTMLでも提供
サイズ 圧縮して軽くする

PDFは検索結果に表示されます。 ただしAI検索には読まれにくいため、重要な情報はHTMLでも提供してください。


AI検索への対応

病院に関する質問にAIが答えるとき、参照されるのは診療科の対応範囲、医師の専門領域、費用、アクセスの4つです。

実装すべき構造化データ

用途
Hospital 病院の基本情報
MedicalClinic 診療所の場合
Physician 医師個別ページ
MedicalSpecialty 診療科
FAQPage よくある質問
BreadcrumbList パンくず
JobPosting 求人情報

JobPostingを実装している病院サイトはほとんどありません。 Googleしごと検索に表示される可能性があり、採用SEOで大きな差になります。

JobPostingで記述する項目

プロパティ 内容
title 職種名
datePosted 掲載日
validThrough 募集期限
employmentType 常勤・非常勤
hiringOrganization 病院名
jobLocation 勤務地
baseSalary 給与
qualifications 応募資格

baseSalaryを記述するには、実際の給与額を公開する必要があります。採用ページに給与を書く判断が、ここでも効いてきます。

AIに引用されやすい書き方

  • 診療科ごとに「対応する疾患」を具体名で列挙する
  • 医師ごとに「専門領域」を疾患名で書く
  • 健診コースの費用を総額(税込)の表で示す
  • 外来受付時間を曜日別の表で示す
  • アクセスをテキストで具体的に書く

画像の表は読まれません。 外来担当表を画像で作っている病院は多くありますが、HTMLの表に変えてください。


病院固有の医療広告ガイドライン論点

病院では、診療実績・症例数・受賞歴の扱いが論点になります。

項目 扱い
手術件数・分娩件数 広告可能事項。実数を記載できる
平均在院日数 広告可能事項
病床数・医師数 広告可能事項
「地域No.1の症例数」 比較優良広告。不可
「〇〇学会認定施設」 認定を受けていれば記載可
ランキングサイトへの掲載 「〇〇ランキング1位」の転載は比較優良広告のおそれ
患者の体験談 治療効果に関するものは不可
医師の受賞歴 事実であれば記載可。優良性の強調は避ける

手術件数は広告可能事項です。 「2025年の年間手術件数:1,240件」という記載は問題ありません。一方で「地域最多」と付けた瞬間に比較優良広告になります。

詳しくは医療広告ガイドラインの解説記事をご覧ください。


効果測定

病院SEOは目的が3つあるため、指標も3系統で管理してください。

領域 主要指標
採用 応募数、見学申込数、応募経路別の内訳
健診 人間ドック予約数、企業健診の問い合わせ数
連携 紹介件数、連携室への問い合わせ数
共通 表示回数、平均掲載順位、検索クエリ

応募経路を必ず聞く

応募フォームに「当院を知ったきっかけ」の項目を入れてください。

選択肢
検索して当院サイトを見た
求人媒体
人材紹介会社
知人の紹介
病院見学
その他

この1項目があるだけで、SEOの投資対効果を計算できます。 紹介会社経由の採用が1名減れば、数十万円の削減です。


よくある失敗パターン

# 失敗 結果 対策
1 患者集客だけを目的にする 最大の課題(採用)に手が付かない 3本柱で設計
2 採用ページに給与を書かない 応募が集まらない モデル年収と内訳を提示
3 求人ページと診療案内を混在 規制の適用が複雑になる URLで分ける
4 医師紹介が名前と診療科だけ 紹介元が判断できない 専門領域を疾患名で記載
5 人間ドックにリスク記載なし 限定解除の要件を満たさない 偶発症を記載
6 外来担当表が画像 検索・AIに読まれない HTMLの表に
7 費用が古いまま 虚偽広告のおそれ 改定時に必ず更新
8 監修者が不明 YMYL領域で評価されない 監修管理表で運用
9 更新のたびに制作会社へ依頼 更新が止まる CMSで自院更新の範囲を拡大
10 法人サイトと拠点サイトで内容が重複 双方の評価が下がる 役割を分ける
11 JobPostingを実装していない Googleしごと検索に出ない 構造化データを実装
12 応募経路を聞いていない 効果を測定できない フォームに項目を追加

自院サイトの診断チェックリスト

採用(12項目)

☐ 職種別のページがあるか ☐ 部署・病棟別のページがあるか ☐ モデル年収と内訳を提示しているか ☐ 賞与・各種手当を明記しているか ☐ 有給取得率を掲載しているか ☐ 産休・育休からの復帰実績を掲載しているか ☐ スタッフインタビューを職種別に掲載しているか ☐ 1日の流れを職種別に掲載しているか ☐ 病院見学の申込方法があるか ☐ エントリーフォームがスマートフォンで使えるか ☐ 応募経路を聞く項目があるか ☐ JobPostingの構造化データを実装しているか

健診・人間ドック(8項目)

☐ コース別の検査項目を比較表で示しているか ☐ 費用を総額(税込)で表示しているか ☐ 所要時間と当日の流れを書いているか ☐ 前日・当日の注意事項を書いているか ☐ 検査に伴うリスク・偶発症を記載しているか ☐ 結果が出るまでの期間を書いているか ☐ 再検査になった場合の流れを書いているか ☐ 企業向け健診の専用ページがあるか

地域医療連携(7項目)

☐ 連携室の直通連絡先と受付時間を明記しているか ☐ 紹介の手順を書いているか ☐ 紹介状の様式をダウンロードできるか ☐ 対応可能な検査機器と予約枠を明記しているか ☐ 診療科別の受入体制を書いているか ☐ 医師の専門領域を疾患名で記載しているか ☐ 逆紹介の方針を書いているか

構造・技術(8項目)

☐ 規制の適用が違う領域をURLで分けているか ☐ パンくずリストと構造化データを実装しているか ☐ 外来担当表がHTMLの表になっているか ☐ 費用表がHTMLの表になっているか ☐ XMLサイトマップに全ページが含まれているか ☐ 旧URLからのリダイレクトが生きているか ☐ サイト内検索の結果ページをnoindexにしているか ☐ 全ページでLCPが2.5秒以内か

運用・ガバナンス(5項目)

☐ 監修管理表を作成しているか ☐ ページごとの見直し周期を決めているか ☐ 承認フローを図で共有しているか ☐ 休診情報と外来担当表を自院で更新できるか ☐ Search Consoleの数値を月次で院内共有しているか

合計40項目です。


診療科ページの設計

診療科ページは「病院の案内」ではなく「その診療科が何を診るか」を書く場所です。疾患名を具体的に列挙してください。

多くの病院の診療科ページは、スタッフ紹介と外来担当表だけで終わっています。

診療科ページに入れる要素

ブロック 内容
1 診療科の概要(1文) 何を診る科か
2 対応する疾患の一覧 疾患名を具体的に列挙
3 主な検査・治療 実施している内容
4 保有する医療機器 一般名称と導入年
5 診療実績 手術件数など(広告可能事項)
6 医師紹介 個別ページへのリンク
7 外来担当表 HTMLの表で
8 受診の流れ 紹介状の要否を含む
9 入院が必要な場合 平均在院日数など
10 地域医療連携の窓口 紹介元向けの案内
11 よくある質問

2番が最も重要です。 「循環器内科」というページタイトルだけでは、患者も紹介元も何を診てもらえるか分かりません。

疾患名の列挙が検索に効く

疾患名を列挙すると、その疾患名での検索に対応できます。

書き方 拾える検索
「循環器疾患全般を診療しています」 ほぼ拾えない
「狭心症、心筋梗塞、不整脈、心不全、弁膜症…」 各疾患名+地域名

疾患名ごとに独立したページを作るのが理想です。 ただし病院サイトでいきなり数十ページ作るのは負担が大きいため、まず診療科ページ内で列挙し、検索需要の大きい疾患から個別ページへ切り出す進め方が現実的です。

切り出す優先順位

条件 優先度
自院の症例数が多い
検索数が大きい
専門医が在籍している
手術・入院につながる
他院との差別化ができる

症例数が多く、検索数も大きい疾患から着手してください。 実際に診ている疾患のほうが、内容の厚みが出ます。


病院サイトのリニューアル

病院サイトのリニューアルは、ページ数が多いためリダイレクト設計を誤ると被害が大きくなります。

リニューアル前にやること

作業
1 全URLを一覧化(クロールツールまたはサイトマップから)
2 Search Consoleで流入のあるURLを特定
3 過去16か月分のデータをCSVでエクスポート
4 主要キーワードの現在の順位を記録
5 PDFのURLも一覧に含める
6 新旧URLの対応表を作成

5番を忘れないでください。 病院サイトにはPDFが大量にあり、検索結果に表示されているものもあります。リンク切れになると患者と紹介元の双方に影響します。

リダイレクトの設計

旧ページ 対応
同じ内容の新ページがある 1対1で301リダイレクト
複数ページに分割した 最も近い内容のページへ
統合した 統合先へ
廃止した 上位階層のページへ
廃止した診療科 診療科一覧へ

トップページへ一括リダイレクトしないでください。 検索エンジンはソフト404として扱い、評価を引き継ぎません。

公開後の監視

時期 確認
公開直後 主要ページの表示、リダイレクトの動作
公開翌日 Search Consoleの404レポート
公開1週間 インデックス数の推移
公開1か月 表示回数・順位の推移
公開3か月 元の水準に戻ったか

公開後1〜2か月は順位が変動します。 一時的に下がっても慌てず、3か月の推移で判断してください。


広報部門が取り組む年間計画

病院サイトの更新は、年間計画がないと止まります。月次の作業を業務として組み込んでください。

年間の更新計画例

時期 更新内容
4月 医師の異動を反映。外来担当表の全面更新
4月 新年度の採用ページ更新
5月 人間ドックの料金改定を反映
6月 診療報酬改定に伴う費用の見直し
7月 夏季休診・お盆の案内
9月 インフルエンザ予防接種の案内
10月 健診の受付状況更新
11月 年末年始の診療体制
1月 年間の診療実績を更新
通年(月次) お知らせ、休診情報、記事1〜2本

月次の作業

作業 担当 所要時間
第1週 Search Consoleの数値確認 広報 30分
第1週 院内へ数値を共有 広報 20分
第2週 今月書く内容の企画 広報 30分
第2週 該当診療科へ監修を依頼 広報 20分
第3週 原稿作成 広報/外注
第3週 診療科の監修 各診療科 30分
第4週 医事課による費用の確認 医事課 20分
第4週 公開・内部リンク 広報 30分

広報部門の負担は月2時間半程度です。診療科の負担を30分に抑えることが、協力を得るうえで決定的です。

数値の共有が協力を生む

院内へ共有する内容の例です。

項目
全体の表示回数 前月比
伸びたページ 「循環器内科のページが前月比〇%増」
採用への影響 「サイト経由の応募が〇件」
健診への影響 「人間ドックの予約が〇件」

「自分の診療科のページが読まれている」と分かると、監修への協力が得られやすくなります。 数値を出さないと、監修は単なる追加業務として扱われます。


用語集

用語 意味
病診連携 病院と診療所の連携
逆紹介 病院から診療所へ患者を戻すこと
医療連携室 紹介・逆紹介の窓口となる部署
選定療養費 紹介状なしで大病院を受診した際の定額負担
開放型病床 紹介元の医師が共同で診療にあたる病床
二次医療圏 一般的な入院医療を提供する地域単位
JobPosting 求人情報を記述する構造化データの型
Physician 医師を記述する構造化データの型
canonical 重複ページの正規版を指定するタグ
YMYL Your Money or Your Life。健康・資産に関わる領域
E-E-A-T 経験・専門性・権威性・信頼性

医療SEOに関するよくある質問

医療機関の担当者からよく寄せられる疑問を整理しました。

病院のSEOは何から始めればよいですか?

採用ページからです。実測では「看護師 求人」が月12,896回・難易度0でクリック単価5.00ドルでした。採用は病院の最大の経営課題であり、求人ページは医療広告規制の対象外なので制約も少なくなります。広告表現の根拠となる条文は、薬機法とは何かをまとめた記事で整理しています。

なぜ「病院 ホームページ」で上位を狙わないのですか?

検索数が月72回しかなく、難易度は72です。制作会社とポータルサイトが上位を固めており、病院自身が入れる市場ではありません。狙うべきは採用・健診・連携の3領域です。

採用ページに給与を書くべきですか?

書いてください。求職者は必ず給与を調べます。「規定による」と書くと応募が減ります。モデル年収の内訳(基本給・夜勤手当・賞与)を示すと、求職者が自分の場合を計算できます。

求人ページも医療広告ガイドラインの対象ですか?

対象外です。患者の受診を誘引するものではないため、誘引性の要件を満たしません。そのためスタッフの声も掲載できます。ただし診療内容の宣伝を混ぜると、その部分は広告に該当し得るため、URLを分けてください。

人間ドックのページに何を書けばよいですか?

コース別の検査項目、費用(総額・税込)、所要時間、前日・当日の注意事項、検査に伴うリスク・偶発症、結果が出るまでの期間、再検査になった場合の流れです。人間ドックは自費のため、限定解除の4要件を満たす必要があります。

地域医療連携のページは効果がありますか?

検索数は小さい領域ですが、1件の紹介が入院・手術につながるため、1検索あたりの価値が高くなります。連携室の直通連絡先、対応可能な検査機器、診療科別の受入体制、医師の専門領域を疾患名で書いてください。

医師紹介ページには何を書くべきですか?

専門領域を疾患名で具体的に、経歴、所属学会と認定資格(認定団体名を併記)、外来担当日を書いてください。紹介は病院ではなく医師個人に対して行われます。名前と診療科だけでは紹介元が判断できません。

手術件数を掲載してよいですか?

掲載できます。手術件数・分娩件数・平均在院日数・病床数は広告可能事項です。ただし「地域最多」「No.1」を付けると比較優良広告になります。実数のみを記載してください。

複数の拠点がある場合、サイトは分けるべきですか?

新規に設計するなら単一ドメイン+拠点ディレクトリを推奨します。評価が集約されるためです。すでに別ドメインで運用している場合、統合には301リダイレクトの設計が必要でリスクも伴うため、既存の順位を確認して判断してください。

法人サイトと拠点サイトの役割はどう分けますか?

法人サイトに理念・沿革・拠点一覧・法人採用を置き、拠点サイトに診療科・外来・入院・アクセスを置きます。同じ内容を両方に載せると、どちらも評価が下がります。

外来担当表を画像で作っていますが問題ありますか?

問題があります。画像内の文字は検索エンジンもAI検索も確実には読めません。HTMLの表に変えてください。費用表も同様です。

サイトの更新が止まっています。どうすればよいですか?

制作会社に依頼しないと更新できない構造が最大の原因です。休診情報と外来担当表は必ず自院で更新できる状態にしてください。あわせて承認フローを図で共有し、Search Consoleの数値を月次で院内共有すると協力が得られやすくなります。

JobPostingの構造化データは必要ですか?

実装を推奨します。Googleしごと検索に表示される可能性があり、実装している病院はほとんどありません。ただし給与を記述するには実際の金額を公開する必要があります。

監修体制はどう作ればよいですか?

ページごとに監修する診療科と医師、最終監修日、次回見直し時期を一覧表で管理してください。監修者の異動・退職時に引き継ぎが即座にできます。費用の記載があるページは改定時に必ず更新してください。

SEOの効果はどう測ればよいですか?

採用(応募数・見学申込数)、健診(予約数・企業健診の問い合わせ数)、連携(紹介件数)の3系統で管理してください。応募フォームに「当院を知ったきっかけ」の項目を入れると、投資対効果を計算できます。


まとめ

要点を整理します。

論点 結論
病院SEOの目的 患者集客ではなく、採用・健診・地域医療連携の3本柱
第1の柱 採用。月37,860回・すべて難易度0・CPC最高$5.00
採用の利点 求人ページは医療広告規制の対象外。スタッフの声も掲載可
第2の柱 健診・人間ドック。月26,755回・8語が難易度0
健診の注意 自費のため限定解除4要件が必要。偶発症の記載を忘れない
第3の柱 地域医療連携。検索数は小さいが1件あたりの価値が高い
狙ってはいけない 「病院 ホームページ」(月72回・難易度72)
構造 規制の適用が違う領域をURLで分ける
ガバナンス 監修管理表で診療科別の責任を明確に
技術 外来担当表・費用表を画像にしない

病院のSEOは、患者向けの情報発信という枠を超えて、採用と経営に直結する施策です。実測でほぼすべての領域が難易度0という状況は、裏を返せば取り組んでいる病院がほとんどないことを意味します。

株式会社HUMEDITは、グループ11院・多科目の運営で培った知見をもとに、医療機関のサイト設計からシステム開発、監修体制の構築、医療広告ガイドライン対応までを一貫してご支援しています。現状診断からご相談ください。


参考・出典

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