株式会社HUMEDIT

クリニックの集患・集客|実測171語で描く検索市場の全体マップ

集患の打ち手を決める前に、自院が届きうる検索市場の大きさを知ってください。 私たちがAhrefs APIで医療系キーワード171語を実測したところ、患者側の検索は合計で月1,831,352回ありました。

内訳は、症状キーワードが792,920回、美容施術が605,680回、歯科が226,918回、ローカル検索が135,208回、病院固有領域が70,626回です。そして171語のうち大半が、検索難易度0〜10という低い水準でした。

医療は、市場が巨大なのに競合が薄いという珍しい領域です。 それでも多くのクリニックが「集患がうまくいかない」と感じているのは、市場の地図を持たないまま個別の施策に取り組んでいるためです。

この記事では、実測データにもとづく市場マップと、そこから逆算した集患設計の手順を示します。私たち株式会社HUMEDITは、グループで11院・多科目のクリニック運営に関わり、集患の仕組みを内製してきました。

この記事でわかること

  • 実測171語・月1,831,352回の検索市場マップ
  • 集患と集客の違いと、医療機関で使い分ける理由
  • 患者の意思決定6段階と、各段階に効くチャネル
  • チャネル別の費用対効果と着手順
  • 診療科・診療形態別の集患設計
  • 集患がうまくいかない5つの原因
  • 12か月のロードマップ
  • 自院の診断チェックリスト34項目

本記事の検索数・難易度は Ahrefs API v3(country=JP)による2026年7月時点の実測値です。


集患と集客の違い

集患は「必要な医療を必要な人に届けること」、集客は「顧客を集めること」です。医療機関では、この区別が施策の方向性を決めます。

言葉の使い分けにこだわる理由があります。

集患 集客
対象 医療を必要としている人 購買意欲のある人
目的 適切な受診につなげる 売上を増やす
手法の制約 医療広告ガイドライン 景品表示法等
成功の指標 適応する患者の来院、継続受診 客数、客単価
不適切な例 不安を煽って受診を促す

なぜ区別が実務に効くのか

「集客」の発想で医療機関のサイトを作ると、次の問題が起きます。

  • 効果を断定してしまう(虚偽・誇大広告)
  • 他院と比較してしまう(比較優良広告)
  • 体験談で説得しようとする(禁止事項)
  • 期間限定で煽ってしまう(公序良俗違反のおそれ)

医療機関の集患は、規制の中でしか成立しません。 そして規制を守った情報提供が、そのまま検索評価につながるという構造があります。詳しくは医療広告ガイドラインの解説をご覧ください。

自由診療は集客の性質が強い

美容医療やAGAなどの自由診療は、患者の意思決定が「購買」に近くなります。それでも医療広告規制は等しく適用されます。むしろ自由診療のほうが、限定解除の4要件という重い要件が課されます。広告表現の根拠となる条文は、薬機法第66条・第68条の解説で整理しています。


【全体マップ】実測171語・月183万回の検索市場

医療の検索市場を領域別の面積で表したマップ図

自院が届きうる市場の大きさを、領域別に示します。合計で月1,831,352回です。

領域 実測語数 月間検索数 難易度の傾向 詳細記事
症状キーワード(10診療科) 47 792,920 41語が10以下 クリニックのSEO対策
美容施術・費用・リスク 40 605,680 21語が0〜3 美容クリニックのSEO対策
歯科(施術・症状・来院) 44 226,918 24語が0 歯科医院のSEO対策
ローカル検索「〇〇科 近く」 8 135,208 0〜62に分散 クリニックのMEO対策
病院固有(採用・健診・連携) 32 70,626 ほぼ0 医療SEOとは
合計 171 1,831,352

この表から読み取るべきこと

1. 症状キーワードが最大の市場です。

月792,920回。多くのクリニックサイトは診療メニューのページしか持たず、この市場に入口を作っていません。

2. 美容医療は保険診療より市場が大きい領域があります。

「医療脱毛」だけで月127,543回・難易度0。1施術で症状キーワード10語分の規模があります。

3. ローカル検索は診療科で難易度が激変します。

「小児科 近く」は難易度0、「整形外科 近く」は62。検索数はほぼ同じです。自院の診療科がどちらかで、MEOの投資判断が変わります。

4. 病院は患者集客より採用が大きい市場です。

「看護師 求人」は月12,896回・難易度0・クリック単価5.00ドル。実測した全キーワードで最高単価でした。

医院側が「集患」を調べる市場

一方、医療機関の経営者が集患について調べる検索は次のとおりです。

キーワード 月間検索数 KD CPC
集患 663 0 $1.90
クリニック 集客 548 0 $2.00
歯科 集患 412 0 $2.50
クリニック 集患 286 0 $1.40
美容クリニック 集客 242 0 $2.50
クリニック マーケティング 178 0 $2.50
集患とは 169 0 $1.00
集患 方法 145 0 $0.50
医療マーケティング 65 0 $1.30

合計3,033回、すべて難易度0です。CPCが1.00〜2.50ドルと高く、支援会社がこの市場に広告費を投じていることが分かります。


患者の意思決定6段階

認知から再来までの意思決定6段階を横一列のノードで表した図

集患を「新患を増やす」という単一の課題として扱うと、打ち手が絞れません。6段階に分けて、どこで漏れているかを特定してください。

段階 患者の状態 検索の例 主な担当チャネル
1. 認知 症状に気づく 「めまい 原因」 SEO(症状ページ)
2. 判断 受診すべきか迷う 「めまい 何科」 SEO(比較ページ)
3. 探索 医院を探す 「〇〇駅 耳鼻科」 MEO・SEO
4. 比較 医院を選ぶ 「〇〇クリニック 口コミ」 MEO(口コミ)・サイト
5. 予約 予約する 「〇〇クリニック 予約」 予約システム
6. 再来・紹介 再受診・人に勧める 満足度・リマインド

どこで漏れているかの見分け方

症状 漏れている段階 打ち手
サイトへの流入が少ない 1〜2 症状ページを作る
流入はあるが地図に出ない 3 MEOを整える
地図に出るが選ばれない 4 口コミ・写真・情報量
サイトを見るが予約しない 5 予約導線・ウェブ予約
新患は来るが定着しない 6 再来リマインド・満足度

多くのクリニックは1〜2と5で漏れています。 症状ページがなく、ウェブ予約がない状態です。


段階別に効くチャネル

広告・MEO・SEO・システムの各チャネルの到達範囲を横棒で表した図

チャネルには効果が出るまでの時間と費用の性質があります。組み合わせて設計してください。

チャネル 効果が出るまで 費用の性質 効く段階
リスティング広告 即日 継続的に発生 3・4・5
MEO 1〜3か月 主に人的コスト 3・4
SEO 3〜6か月 制作費+人的コスト 1・2・3
SNS 3〜12か月 人的コスト 1
予約システム 導入後すぐ 月額 5
リマインド・LINE 導入後すぐ 月額 6
看板・チラシ 即日〜 都度発生 3
ポータルサイト 掲載後すぐ 掲載料 3・4
口コミ 3〜12か月 人的コスト 4

着手順の原則

「速く効くもの」と「資産になるもの」を並行して進めてください。

時期 施策 理由
即日 予約システムの導線整備 すでにある流入を取りこぼさない
1か月目 MEO(プロフィール整備) 1〜3か月で効く
1か月目 SEO(来院層のページ) 資産の土台
2〜3か月目 口コミ依頼の仕組み 蓄積に時間がかかる
3か月目〜 SEO(症状ページ) 資産化
必要に応じて リスティング広告 即効性が必要なとき

リスティング広告を最初に始めないでください。 受け皿(サイト・予約導線)が整っていない状態で広告を出すと、費用だけがかかります。


チャネル別の費用対効果

費用対効果は「1人の新患を得るのにいくらかかるか」で比較してください。

比較の考え方

チャネル 費用の発生 患者1人あたりの費用の推移
リスティング広告 クリックごと 変わらない(止めればゼロに戻る)
SEO 制作時に集中 時間とともに下がる
MEO 主に人的コスト 下がる
ポータル 掲載期間中 変わらない

SEOとMEOは、時間とともに1人あたりの費用が下がります。 一方で広告は、出稿を止めた瞬間に流入がゼロになります。

両方必要な理由

状況 推奨
開院直後 広告+MEO(即効性が必要)
開院1年目 広告を維持しながらSEOを積む
開院2年目以降 SEO・MEOの比率を上げ、広告を絞る
季節性が強い診療 繁忙期のみ広告を追加
自由診療 広告とSEOを併走(競合が広告を出している)

「広告かSEOか」ではなく「いつ比率をどう変えるか」の問題です。


診療科・診療形態別の集患設計

実測データから、診療形態ごとに優先すべき打ち手が明確に分かれます。

保険診療の単院クリニック

打ち手 根拠
1 予約導線の整備 流入の取りこぼしを止める
2 MEO 「〇〇科 近く」は月13.5万回
3 来院層のページ(アクセス・診療時間) 受け皿
4 症状ページ 月79万回の市場
5 口コミの仕組み 比較段階での選択

診療科によってMEOの難易度が違います。小児科・眼科は難易度0なので、MEOを最優先にしてください。 整形外科・耳鼻科・婦人科・皮膚科は難易度49〜62のため、症状ページに寄せます。

歯科医院

打ち手 根拠
1 自由診療の費用ページ インプラント・矯正はKD0
2 予約導線 「歯医者 予約」月2,867回
3 MEO 「歯医者 近く」KD39
4 症状ページ 「親知らず 抜歯」3万回KD0
5 不安に答えるページ 「歯医者 怖い」665回KD0

「矯正歯科」(KD59)は避けてください。 「マウスピース矯正」(44,327回・KD0)に寄せます。

自由診療(美容・AGA等)

打ち手 根拠
1 限定解除フル対応の施術ページ 前提条件
2 リスク・ダウンタイムのセクション KD0の市場
3 回数・期間のセクション KD0の市場
4 症例(付記事項つき) 訴求の中核
5 広告との併走 競合が広告を出している

規制対応が最優先です。 費用・期間・リスクを書かないと、そもそも施術内容を掲載できません。

病院・医療法人

打ち手 根拠
1 採用ページ 月37,860回・全KD0・CPC最高
2 健診・人間ドック 月26,755回・8語がKD0
3 地域医療連携ページ 1件の価値が高い
4 診療科ページの疾患名列挙 紹介元が判断できる

病院は患者集客より採用が大きな課題です。 求人ページは医療広告規制の対象外という利点もあります。


集患がうまくいかない5つの原因

「集患ができない」という相談の大半は、次の5つのどれかに該当します。

原因1:受け皿がないまま流入を増やそうとしている

症状 確認
広告を出しているが予約が増えない ウェブ予約はあるか
サイトに人は来るが問い合わせがない 電話番号はタップできるか
SNSのフォロワーは多いが来院しない プロフィールから予約に行けるか

流入を増やす前に、受け皿を直してください。 予約システムがない状態で広告を出すのは、穴の空いたバケツに水を注ぐ行為です。

原因2:勝てない市場で戦っている

難易度 代替
「矯正歯科」 59 「マウスピース矯正」(KD0)
「整形外科 近く」 62 「坐骨神経痛」(KD3)
「病院 ホームページ」 72 採用・健診領域(KD0)
「皮膚科 近く」 49 症状KW+駅名との組み合わせ

難易度を調べずに看板ワードを狙うと、1年経っても順位が付きません。

原因3:費用を書いていない

自由診療で費用を書かないページは、「〇〇 費用」「〇〇 料金」の検索に一切対応できません。加えて限定解除の要件も満たしません。

「カウンセリング時にご案内します」は、集患の機会を捨てる表現です。

原因4:規制違反を恐れて情報を削っている

誤解 実際
症例写真は載せられない 条件を満たせば載せられる
費用は書かないほうが安全 書かないと限定解除が成立しない
リスクを書くと患者が減る リスク系KWは難易度0の市場
実績は書けない 手術件数は広告可能事項

規制は「書けない」ではなく「書き方が決まっている」だけです。 情報を削るほど検索でも不利になります。

原因5:3か月で判断している

SEOは2〜3か月目で順位が付き始め、6〜9か月目に予約への影響が出ます。3か月で「効果がない」と止めるのが最も多い失敗です。

Search Consoleの「表示回数」で判断してください。 クリック数より先に表示回数が増えます。


まず何から始めるか

受け皿の整備、MEO、来院層のページ。この3つを1か月で終えてください。

最初の30日

作業 所要時間
第1週 電話番号をタップ可能にする 30分
第1週 スマートフォンに追従バー(電話・予約・地図)を設置 2時間
第1週 Googleビジネスプロフィールの基本情報9項目を埋める 2時間
第2週 診療時間の昼休みを分けて登録 30分
第2週 1年分の祝日を特別営業時間に登録 1時間
第2週 写真を30枚以上登録 2時間
第3週 アクセスページを充実させる 3時間
第3週 初診の流れページを作る 3時間
第3週 口コミ依頼のQRコードを受付に設置 1時間
第4週 料金表を画像からHTMLへ変更 3時間
第4週 Search Console・GA4を設定 2時間
第4週 現状の数値を記録(電話件数・新患数) 1時間

合計21時間です。この30日で、集患の土台がほぼ整います。

次の90日

時期 作業
2か月目 自院の診療科の症状KWを調査。難易度0のものを特定
2か月目 「〇〇は何科?」ページを作る
3か月目 症状ページを2本作る
3か月目 予約システムの検討(要件定義シート)
4か月目 症状ページを2本作る
4か月目 口コミ件数を確認。競合上位3件と比較

予算配分の考え方

開院からの経過年数で、配分を変えてください。

時期 広告 SEO・コンテンツ MEO・口コミ システム
開院前〜半年
半年〜1年
1〜2年 低〜中
2年以降

配分を変える判断基準

指標 判断
指名検索が増えてきた 広告を絞れる
オーガニック流入が広告流入を超えた 広告を絞れる
口コミが競合上位3件に並んだ MEOの投資を維持でよい
新患の3割以上が検索経由 SEOへの投資を継続

「当院を知ったきっかけ」を初診時に必ず聞いてください。 記録がないと、どのチャネルが効いているか判断できません。

問診票に入れる項目

選択肢
インターネットで検索して
Googleマップで探して
家族・知人の紹介
通りかかって(看板)
他院からの紹介
広告を見て
以前から知っていた

この1項目が、予算配分の唯一の根拠になります。


KPI設計

集患のKPIをダッシュボードのゲージとグラフで表した図

流入数ではなく、新患数と再来率で評価してください。

階層 指標 測り方
最終 新患数 月次のレセプト・カルテ
最終 再来率 2回目以降の来院率
中間 予約数(経路別) 予約システム
中間 電話問い合わせ数 受付の記録
先行 サイト流入数 GA4
先行 検索の表示回数 Search Console
先行 ルート検索数 ビジネスプロフィールのインサイト
先行 口コミ件数・平均評価 同上

先行指標を見る理由

新患数が動くのは施策の6〜9か月後です。それまでの間、先行指標が伸びているかで施策の是非を判断します。

先行指標 動く時期
検索の表示回数 2〜3か月
ルート検索数 1〜3か月
口コミ件数 1か月〜
サイト流入数 3〜4か月
予約数 4〜6か月
新患数 6〜9か月

12か月のロードマップ

12か月の集患ロードマップを道と旗で表した図
施策 見る指標
1 受け皿整備(予約導線・追従バー) 電話件数
1 MEOの基本情報を完全に埋める ルート検索数
2 来院層のページ(アクセス・初診の流れ) 表示回数
2 口コミ依頼の運用開始 口コミ件数
3 症状KWの調査。難易度0を特定
3 「〇〇は何科?」ページ 表示回数
4〜6 症状ページを月2本 表示回数・順位
4 予約システムの要件定義
5〜6 予約システム導入・並行運用 ネット予約比率
7〜9 症状ページを月2本継続 サイト流入数
7 季節性KWをシーズン半年前に公開
8 インサイトの検索KWから新規ページを企画
10〜12 自由診療ページの充実(該当する場合) 予約数
12 1年の振り返り。予算配分の見直し 新患数・再来率

月2本のペースを守ってください。 一気に10本作って止まるより、12か月で24本のほうが結果が出ます。


院内体制

担当者を1名決めてください。決めない医院は、例外なく途中で止まります。

役割 担当 月次の作業時間
統括・投資判断 院長 30分
医学的内容の確認 院長 60分
施策の推進・数値確認 事務長 3時間
口コミ依頼・受付での案内 受付リーダー 業務内
記事の作成 外注
規制チェック 事務長または外注 40分

院長の負担は月1.5時間です。院長が記事を一から書く体制にしないでください。 確認と修正に限定すれば続きます。

月次で確認すること

頻度 内容
毎月 Search Consoleの表示回数・検索クエリ
毎月 ビジネスプロフィールのインサイト
毎月 口コミ件数と返信状況
毎月 新患数と流入経路の内訳
四半期 掲示物・ウェブの費用が最新か
半年 競合上位3件との口コミ件数の差
年1回 予算配分の見直し

外注の使い分け

内製すべきものと外注すべきものは、はっきり分かれます。

業務 内製 外注
医学的内容の執筆・監修
受付での口コミ依頼
ビジネスプロフィールの更新
休診情報・外来担当表の更新
キーワード調査
ページ構成の設計
文章の整形・SEO調整
技術的な改善
医療広告ガイドラインのチェック 併用 併用

外注先に確認すべき7点

# 質問 望ましい回答
1 医療広告ガイドラインの最新改正を確認していますか 具体的な内容を説明できる
2 限定解除4要件をページ要素でどう担保しますか 構成として説明できる
3 対象KWの検索数と難易度を提示できますか 実測値を出せる
4 医学的内容の監修フローは 院長監修を前提としている
5 被リンクはどう獲得しますか 購入と答えたら除外
6 ビジネスプロフィールのオーナー権限は 医院に帰属
7 契約終了後も記事を使えますか 使える

5番と6番は必ず確認してください。 どちらも医院がリスクを負う項目です。


よくある失敗パターン

# 失敗 対策
1 受け皿がないまま広告を出す 予約導線を先に整える
2 難易度を調べずに看板ワードを狙う 実測してから決める
3 費用を書かない 総額を税込でHTMLの表に
4 リスクを書かない KD0の市場を逃している
5 3か月で中止 表示回数で判断する
6 担当者を決めない 事務長を指名する
7 流入経路を聞いていない 問診票に項目を追加
8 一気に作って止まる 月2本を12か月続ける
9 MEOを放置 月1回30分の運用を組む
10 口コミに返信していない 全件返信
11 料金表が画像 HTMLの表に
12 新患ばかり追い再来を見ていない 再来率をKPIに入れる

自院の診断チェックリスト

受け皿(8項目)

☐ 電話番号がタップで発信できるか ☐ ウェブ予約を導入しているか ☐ スマートフォンに追従バーがあるか ☐ 各ページに予約導線が2箇所以上あるか ☐ 初診の流れページがあるか ☐ アクセスページに徒歩ルートを具体的に書いているか ☐ 料金表がHTMLの表になっているか ☐ 診療時間がスマートフォンで見やすいか

MEO(7項目)

☐ ビジネス名が正式名称のみか ☐ 診療時間の昼休みを分けて登録しているか ☐ 特別営業時間(祝日)を登録しているか ☐ 写真が30枚以上あるか ☐ 予約リンクを設定しているか ☐ 口コミに全件返信しているか ☐ 口コミ依頼の仕組み(QR等)があるか

SEO(8項目)

☐ 自院の診療科の症状KWを調査したか ☐ 狙うKWの難易度を確認したか ☐ 来院層のページを先に作ったか ☐ 症状ページがあるか ☐ 「〇〇は何科?」ページがあるか ☐ 監修医師名と最終更新日を表示しているか ☐ 各ページに内部リンクが3本以上あるか ☐ 自由診療がある場合、限定解除4要件を満たしているか

測定・運用(11項目)

☐ Search Consoleを設定しているか ☐ GA4を設定しているか ☐ 問診票に「当院を知ったきっかけ」があるか ☐ 施策開始前の数値を記録したか ☐ 担当者を1名決めているか ☐ 月次で表示回数を確認しているか ☐ 月次でインサイトを確認しているか ☐ 新患数を月次で記録しているか ☐ 再来率を把握しているか ☐ 競合上位3件の口コミ件数を把握しているか ☐ 年1回、予算配分を見直しているか

合計34項目です。


再来・リピートの設計

新患だけを追うと、獲得コストが上がり続けます。再来率を上げるほうが、はるかに低コストで売上が安定します。

新患獲得の話に比べて、再来の設計は軽視されがちです。

新患と再来のコスト差

新患 再来
接点の作り方 検索・広告・口コミ すでに接点がある
必要な費用 広告費・制作費 リマインドの通信費のみ
信頼の構築 ゼロから 済んでいる
予約への障壁 高い 低い

再来施策は、新患獲得より圧倒的に低コストです。 それでも取り組んでいない医院が多いのは、仕組みがないためです。

再来を生む仕組み

施策 対象 手段
次回予約をその場で取る 継続治療中の患者 会計時に提案
定期検診のリマインド 半年〜1年ごと LINE・メール・はがき
予防接種の時期案内 小児・高齢者 LINE・メール
慢性疾患の受診間隔リマインド 生活習慣病等 LINE・メール
検査の再受診案内 健診・人間ドック メール・はがき
中断患者へのフォロー 一定期間来院がない はがき

「次回予約をその場で取る」が最も効きます。 会計時に「次回は〇月頃にお越しください」と伝えるだけでは、多くの患者が来ません。その場で日時を確定してください。

中断患者へのアプローチ

一定期間来院がない患者へのフォローは、慎重に設計してください。

配慮 内容
頻度 年1〜2回まで
表現 受診を強制する印象を与えない
内容 定期検診の時期の案内に留める
停止 希望があれば送付を止める
個人情報 送付先の管理と、封書での配慮

病名が推測できる文面は避けてください。 家族が封筒を見る可能性があります。


紹介を増やす仕組み

紹介患者は最も定着率が高く、獲得コストがゼロです。ただし「紹介してください」と言うだけでは増えません。

紹介が生まれる条件

条件 内容
説明に納得している 診断・治療方針を理解できた
待ち時間が許容範囲 院内滞在時間が短い
接遇が良い 受付・看護師の対応
紹介しやすい情報がある 医院名・場所・診療時間を伝えやすい
話題に出る機会がある 家族・職場での会話

4番目が見落とされます。 患者が友人に伝えるとき、「〇〇駅の近くの、確か〇〇っていう名前の」では紹介になりません。

紹介しやすくする実装

施策 内容
診察券に予約QRコード そのまま渡せる
名刺サイズの案内カード 会計時に複数枚渡す
医院名を覚えやすくする 開業時の判断
家族向けの診療案内 「ご家族の〇〇でお困りの方へ」
予防接種・健診の案内 家族全員が対象

名刺サイズのカードを2枚渡してください。 1枚は本人用、もう1枚は「どなたかお困りの方がいたら」と添えます。

医療機関からの紹介

診療所から病院への紹介、病院から診療所への逆紹介は別の設計になります。詳しくは医療SEOとはの地域医療連携の項をご覧ください。


開業前の集患設計

開業してから集患を考えると出遅れます。サイトは開業3か月前に公開してください。

逆算のスケジュール

時期 作業
開業6か月前 診療圏調査。競合の把握
開業6か月前 制作会社の選定(医療広告対応の実績を確認)
開業5か月前 狙うキーワードの設計。ページ構成の確定
開業4か月前 診療メニューの本文を院長が執筆
開業3か月前 サイト公開(プレオープンページでも可)
開業2か月前 Googleビジネスプロフィール登録・オーナー確認
開業2か月前 予約システムの選定・契約
開業1か月前 Search Console・GA4を設定
開業1か月前 予約システムの設定・職員研修
開業1か月前 内覧会の告知
開業時 MEO本格運用。口コミ依頼の運用開始
開業3か月後 症状ページの追加を開始

サイトを開業日に合わせて公開すると、評価が付く前に開業を迎えます。 3か月前の公開が最低ラインです。

開業直後の課題

課題 対応
口コミがゼロ 開業1週目から依頼の運用を開始
ドメインの評価がない 難易度0のキーワードから積む
実績が書けない 院長の経歴・前職での経験を書く
認知がない 内覧会・広告・看板で補う

開業当初は広告の比率を高くしてください。 SEOが効き始めるまでの6〜9か月を、広告で埋める設計です。


競合分析の手順

「近所の医院」ではなく「検索結果で上に出ている医院」が競合です。無料で分析できます。

手順

作業
1 狙うキーワードをシークレットウィンドウで検索
2 ローカルパックの3件を記録
3 各院の口コミ件数と平均評価を記録
4 各院のサイトのページ数を数える
5 費用の記載があるか確認
6 症状ページの有無を確認
7 自院との差を数値で書き出す

差の埋め方

対応
口コミ件数が少ない 依頼の仕組みを作る。3〜6か月かかる
ページ数が少ない 月2本のペースで積む
費用を書いていない 総額を税込で追記
症状ページがない 難易度0のものから作る
写真が少ない プロフィールに30枚以上

最も差が出やすいのは口コミ件数です。 上位3件が200件で自院が10件なら、まずここを埋めてください。

競合が強すぎる場合

状況 判断
上位が大手チェーン ロングテールに移す
上位がポータルサイト 症状KWに移す
上位が老舗で口コミ多数 駅名・条件付きKWに移す
上位が薄い記事ばかり 好機。網羅的に作る

最終行の状況は珍しくありません。 難易度0のキーワードは、たいていこの状態です。


季節変動への対応

診療科によって繁忙期と閑散期が明確に分かれます。閑散期に集患施策を仕込んでください。

診療科別の繁忙期

診療科 繁忙期 閑散期
内科 12〜2月(感染症) 5〜6月、9〜10月
小児科 12〜2月、6〜8月 4〜5月、10〜11月
耳鼻咽喉科 2〜4月(花粉症) 8〜9月
皮膚科 6〜8月 12〜1月
眼科 通年(やや3〜5月)
整形外科 通年
美容 秋〜冬(ダウンタイム確保)

閑散期にやること

作業 理由
繁忙期向けの記事を書く 上位表示に3〜6か月かかる
サイトの改修 患者対応の余力がある
予約システムの導入・切替 受付の余力がある
職員研修 時間が取れる
口コミ依頼の仕組みづくり 落ち着いて説明できる

花粉症の記事を2月に書いても、そのシーズンには間に合いません。 前年の11〜12月に公開してください。

繁忙期にやること

作業 理由
予約枠の調整 患者数の増加に対応
Web問診の徹底 院内滞在時間の短縮
特別営業時間の更新 誤った来院を防ぐ
口コミ依頼の継続 患者数が多い=依頼機会が多い

繁忙期は口コミを集める最大の機会です。忙しさで依頼を止めると、年間の獲得数が大きく落ちます。


広告運用の基本

医療機関の広告にも医療広告ガイドラインが適用されます。リスティング広告の広告文は限定解除ができません。

限定解除の可否

媒体 限定解除
自院サイト 可能
SNS投稿・動画 可能
リスティング広告の広告文 不可
バナー広告 不可
折込チラシ・新聞広告 不可
看板 不可

リスティング広告の広告文には、広告可能事項の範囲でしか書けません。 ただし、クリックした先のランディングページが「患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイト」と認められれば、遷移先では限定解除が可能とされています。

二段構えの設計

広告文(限定解除不可)
  ↓ 広告可能事項の範囲で記載
ランディングページ(限定解除可)
  ↓ 費用・期間・リスク・問い合わせ先を明示
予約

自由診療でこの二段構えを設計できるかが、広告効率を大きく左右します。

除外キーワードの設定

医療広告では、意図しない検索での表示を避ける設定が必要です。

除外すべき語 理由
求人・転職・年収 求職者の流入
無料・独学・自分で 受診意向がない
口コミ 悪い・評判 悪い ネガティブ検索
他院名 商標・トラブルの元
学会名・論文 医療従事者の情報収集

他院名での出稿は避けてください。 商標権の問題に加え、比較優良広告と受け取られる可能性があります。


用語集

用語 意味
集患 医療を必要としている人に適切な受診機会を届けること
SEO 検索エンジン最適化。通常の検索結果での上位表示施策
MEO Googleマップ・ローカル検索枠での上位表示施策
KD キーワードの上位表示難易度。0〜100で表す
CPC クリック単価。広告で1クリックあたりにかかる費用
限定解除 4要件を満たすことで広告可能事項以外も掲載できる仕組み
先行指標 最終成果より先に動く指標。表示回数など
指名検索 医院名で直接検索されること
ルート検索 Googleマップで経路を調べる行動。来院意向に近い
再来率 2回目以降の来院につながった割合

クリニックの集患・集客に関するよくある質問

医療機関の担当者からよく寄せられる疑問を整理しました。

集患は何から始めればよいですか?

受け皿の整備からです。電話番号をタップ可能にし、ウェブ予約を用意し、スマートフォンに追従バーを設置してください。流入を増やす前に、すでにある流入を取りこぼさない状態を作ります。所要21時間で最初の30日分の作業が終わります。

広告とSEOはどちらを優先すべきですか?

開院直後は広告とMEO、1年目以降はSEOの比率を上げます。広告は止めた瞬間に流入がゼロになりますが、SEOは時間とともに患者1人あたりの費用が下がります。「どちらか」ではなく「いつ比率を変えるか」の問題です。

効果が出るまでどれくらいかかりますか?

先行指標は1〜3か月で動きます。検索の表示回数が2〜3か月、ルート検索数が1〜3か月、口コミ件数は1か月から。新患数が動くのは6〜9か月後です。3か月で判断しないでください。

集患がうまくいかない原因は何ですか?

多い順に、受け皿がないまま流入を増やそうとしている、難易度の高い市場で戦っている、費用を書いていない、規制を恐れて情報を削っている、3か月で判断している、の5つです。

自院がどの市場で戦えるか、どう判断しますか?

狙うキーワードの検索数と難易度を実測してください。実測では「小児科 近く」が難易度0、「整形外科 近く」が62でした。検索数はほぼ同じです。難易度を調べずに看板ワードを狙うと、1年経っても順位が付きません。

費用をサイトに書くと不利になりませんか?

逆です。「〇〇 費用」の検索に対応できなくなり、自由診療では限定解除の要件も満たしません。内訳まで出すと、安く見せている他院との違いが伝わります。

リスクを書くと患者が減りませんか?

実測では「ダーマペン ダウンタイム」が月14,650回・難易度0、「糸リフト 失敗」が月10,400回・難易度0でした。患者はすでに調べています。自院で書かなければ他のサイトで調べるだけです。あわせて自院の考え方を示すと信頼につながります。

診療科によって打ち手は変わりますか?

大きく変わります。小児科・眼科はローカル検索の難易度が0なのでMEOを最優先に、整形外科・耳鼻科・婦人科・皮膚科は難易度49〜62のため症状ページに寄せます。歯科は自由診療の費用ページ、病院は採用ページが最優先です。

予算はどう配分すればよいですか?

開院半年までは広告とMEOに厚く、1年目以降はSEOの比率を上げます。判断の根拠は「当院を知ったきっかけ」の集計です。問診票にこの項目がなければ、まず追加してください。

新患と再来のどちらを優先すべきですか?

両方をKPIに入れてください。新患だけを追うと、獲得コストが上がり続けます。再来率が上がると、同じ新患数でも売上が安定します。リマインドと満足度の施策は、新患獲得より低コストです。

記事は月に何本書くべきですか?

月2本を上限にしてください。一気に10本作って止まるより、12か月で24本のほうが結果が出ます。院長の確認時間が1記事30〜45分かかるため、それ以上は続きません。

担当者は誰にすべきですか?

事務長を推奨します。院長は統括と医学的内容の確認に限定し、月1.5時間程度の負担に抑えてください。担当者を決めない医院は、例外なく途中で止まります。

口コミを増やすために謝礼を渡してよいですか?

できません。Googleのポリシー、景品表示法のステルスマーケティング規制、医療広告ガイドラインのいずれにも抵触します。会計時の口頭依頼とQRコードの設置で増やしてください。

ポータルサイトには掲載すべきですか?

無料掲載枠はすべて登録してください。費用がかからず、サイテーションとしてMEOの評価に寄与します。有料掲載は診療科次第で、ローカル検索の難易度が低い診療科なら不要です。

外注先はどう選べばよいですか?

医療広告ガイドラインの最新改正を説明できるか、限定解除4要件をページ構成でどう担保するか、対象キーワードの検索数と難易度を提示できるかを確認してください。あわせて「被リンクを購入するか」「ビジネスプロフィールのオーナー権限は医院に残るか」を必ず聞いてください。


まとめ

要点を整理します。

論点 結論
市場規模 実測171語で月1,831,352回。難易度は大半が0〜10
最大の市場 症状キーワード(月792,920回)
集患と集客 医療機関の集患は医療広告規制の中でしか成立しない
意思決定 認知・判断・探索・比較・予約・再来の6段階で漏れを特定
着手順 受け皿整備 → MEO → 来院層のページ → 症状ページ
広告とSEO 開院直後は広告、1年目以降はSEOへ比率を移す
判断指標 新患数は6〜9か月後。それまでは先行指標で判断
続ける条件 担当者1名、月2本、院長の負担は月1.5時間
最も多い失敗 受け皿がないまま流入を増やそうとすること

医療の検索市場は、規模が大きいのに競合が薄いという珍しい状態にあります。難易度0のキーワードが大量に残っているのは、取り組んでいる医療機関が少ないためです。

株式会社HUMEDITは、グループ11院・多科目の運営で培った知見をもとに、医療機関のウェブサイト制作からSEO・MEO・予約システム・医療広告ガイドライン対応までを一貫してご支援しています。自院の現状診断からご相談ください。


領域別の詳しい解説

本記事は全体像です。各領域の詳細は以下をご覧ください。

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参考・出典

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