「ベテラン事務スタッフに、言いたいことが言えない」院長へ
頼れる人に任せきりのレセプト業務を、見直しませんか。
「そのやり方、少し変えてもらえないかな」
そう言おうとして、やめたことはありませんか。
長く勤めてくれている事務スタッフ。受付も、診療中のちょっとした補佐も任せられる。こちらが言葉にしなくても察して動いてくれる。院内のことは、新しく入った医師より詳しいかもしれません。
そんな「右腕」ともいえる存在だからこそ、言いにくいことがあります。
仕事の進め方で気になるところがある。でも、口を出すと「今までこれでやってきました」と返されそうだ。空気が悪くなれば、その後も毎日顔を合わせる。何より、辞められたらレセプトを誰が見るのか。
結局、「今月もこれで回っているから」と、そのままにする。
助かっているのは本当です。それでも、院長なのに業務の中身を聞くことさえためらう状態には、不安が残ります。
「あの人がいないと回らない」は、スタッフ自身のストレスにもなる
レセプトのことを聞くと、「それは〇〇さんに聞いてください」と返ってくる。
〇〇さんに聞けば、すぐに答えが出る。だから、次もその人に聞く。難しい確認も、締切前の修正も、いつの間にか同じ人のところへ集まっていきます。
本人も、最初から仕事を抱え込みたかったわけではないかもしれません。
新人に説明するには時間がかかる。途中まで任せても、最後は自分が確認する。締切が迫っていれば、「もう私がやります」と引き取る方が早い。
それを繰り返すうちに、周囲はますます手を出せなくなります。
院長は「辞められたら困る」と思い、本人は「私がいないと終わらない」と思っている。頼りにしているつもりが、その人の休みづらさにつながっていることもあります。
まずは、実際にどこまで仕事が集中しているのか、一度確かめておきたいところです。
改善を切り出すなら、休んだ日の仕事を一緒に考える
長年のやり方に対して、いきなり「効率が悪い」「ほかの人にも教えて」と言えば、身構えられても不思議ではありません。
教える手間が増えるうえに、結局は自分が責任を持つ。そう受け取られると、話は進みにくくなります。
切り出すなら、たとえばこんな言い方です。
「〇〇さんが休んだ日に、みんなが慌てないようにしておきたいんだよね。今、ほかの人が触れない仕事って、どのあたり?」
あるいは、
「月初、いつも最後まで残ってくれているよね。あの作業のうち、一つでもほかの人に渡せそうなものはある?」
実際に困っている場面を出す方が、話しやすいはずです。「全部共有してほしい」という大きなお願いより、休んだ日の対応や、残業になっている作業から聞いてみます。
そのときは、院長側も話を聞く時間を取る必要があります。忙しい合間に質問して、説明が始まったところで「続きはあとで」となれば、スタッフも次から話しにくくなります。
「前にも教えましたよ」と返されることもあるでしょう。その場合は、「そうだったね。でも今、ほかの人ができる状態にはなっていないから、一つずつ確認したい」と、作業の話に戻します。
一度の話し合いで、長年の分担が変わるとは限りません。まず一つ、ほかの人が担当できる仕事を決めるところから始めれば十分です。
マニュアルを頼む前に、一件だけ一緒に見てみる
「レセプト業務のマニュアルを作っておいて」
そう頼まれても、毎月の作業で手いっぱいのスタッフには、なかなか着手できません。慣れている仕事ほど、何を説明すればよいのか迷うこともあります。
最初は、実際の点検を一件、一緒に見てみる方が進めやすいでしょう。
どの画面を開くのか。どこを見て手が止まったのか。何を調べて、どう判断したのか。医師に確認する必要があるのは、どんなときか。
その場で聞き、教わる側が短くメモを残します。担当者に資料づくりまで背負わせず、普段の作業から手順を拾っていく方法です。
ただし、教わった内容をそのまま院内ルールにする前に、確認の根拠も押さえておきます。「以前からこうしている」という運用には、見直しが必要なものが含まれているかもしれません。
一件ずつでも、ほかのスタッフが手を動かせる範囲が増えれば、「〇〇さんがいないので、わかりません」で止まる仕事を減らしていけます。
ベテランが毎月繰り返している確認は、仕組みに任せられないか
仕事を一緒に見ていると、経験が必要な判断のほかに、同じ条件を何度も照合している作業が見えてきます。
画面を開き、項目を確かめ、必要があれば調べ直す。こうした確認を一件ずつ繰り返しているなら、自動点検ツールで支援できる部分がないか検討する余地があります。
確認が必要な箇所をツールで拾い、その内容を担当者が確かめる。診療内容に踏み込んだ判断や、医師への確認には、引き続き経験を活かしてもらいます。
もちろん、ツールを入れれば楽になるとは限りません。指摘が多すぎたり、何を確認すべきかわかりにくかったりすれば、担当者の仕事が増えてしまいます。
試すときは、実際に点検するスタッフと一緒に見てください。「この確認は助かる」「これは毎回出ても困る」という現場の反応を聞き、準備から結果の確認まで含めて、手間が減るかを確かめます。
院長だけで導入を決めて「来月からこれで」と渡すより、今の仕事のどこに使えるかを一緒に考える方が、無理なく取り入れやすくなります。
「辞められたら困る」を、ずっと抱えたままにしない
ベテランスタッフとの関係を気にして、業務の話を飲み込んでしまう。その場は丸く収まっても、仕事の中身が見えない不安は残ります。
一方で、担当者にも「何かあれば全部自分に来る」という負担が残ったままです。
まずは、休んだ日に困る仕事を一つ確認する。次に、その仕事をほかの人と一緒に進めてみる。繰り返しの確認には、使えるツールがあるか調べる。
急にすべてを変える必要はありません。ただ、「あの人がいるから大丈夫」で済ませてきた仕事に、院長も少しずつ目を向ける必要があります。
頼れるスタッフが休めること。ほかのスタッフが手伝えること。そして院長が、遠慮しすぎず業務の相談をできること。その状態に近づけるために、毎月のレセプト点検から見直してみてはいかがでしょうか。
レセプト点検の負担を軽くする、HUMEDITのレセコンAI
HUMEDITのレセコンAIは、レセプト電算処理用ファイル(UKE)をもとに、算定漏れや返戻リスクが疑われる箇所を整理し、医療機関での確認を支援します。
「あの人にしか任せられない仕事」のうち、毎月繰り返す点検作業をどこまで軽くできるか。担当者の経験を活かしながら、点検にかかる時間とコストを見直すためのサービスです。
結果の最終確認と修正は、医療機関で行います。
レセプト点検が一人に集中している、引き継ぎが進まない、月初の負担を減らしたい。そんな状況があれば、自院の作業にどう使えるか、まずはご相談ください。