「事務スタッフを増やすしかない」と思ったら。採用前に見直したいクリニックの仕事
診療が終わっても、受付の奥ではまだスタッフがパソコンに向かっている。
「まだかかりそう?」と聞くと、「レセプトが残っているので」と返ってくる。手伝いたくても、自分には細かい作業がわからない。「無理しないでね」と声をかけながら、それだけでは何も変わらないとも感じている。
こんな日が続くと、もう一人採用した方がよいのでは、と考えるでしょう。
ただ、給与は毎月かかります。募集にも費用がかかり、採用できても、すぐに仕事を任せられるとは限りません。
今いるスタッフにこれ以上無理はさせたくない。でも、固定費を増やす決断も簡単にはできない。
その間で迷っているなら、一度、スタッフの手を止めている作業を見てみてください。人を増やす必要があるのか、今の仕事の進め方を変えられるのか。判断するための材料が、そこにあります。
「人が足りない」のは、どの時間の、どの仕事なのか
受付、会計、電話対応、患者さんへの説明、レセプト点検。事務スタッフは、一日の中でいくつもの仕事を行き来しています。
院長からは忙しそうに見えても、何が負担になっているかまではわかりにくいものです。
午前中の受付が混み合っているのか。電話が多く、入力作業が中断されているのか。それとも、月初の点検だけが終わらず、残業になっているのか。
たとえば、受付に人が足りない時間帯がはっきりしているなら、その時間の配置や採用を考える必要があります。一方、診療後に残っているのが毎月の点検作業なら、確認方法やツールを見直せるかもしれません。
スタッフに聞くときも、「忙しい?」だけでは「忙しいです」で終わります。
「昨日、最後まで残っていたのは何の作業?」「月初に受付と点検が重なったとき、どちらが止まってしまう?」
実際の場面から聞く方が、負担の中身をつかみやすくなります。最初から細かい時間記録を求めず、まずは残業した日や、特に大変だった日の仕事を一緒に振り返ってみましょう。
一人入っても、ベテランの仕事が減らないことがある
採用が決まり、これで少し楽になると思ったのに、ベテランスタッフの残業が続いている。
新しいスタッフは受付や会計を覚えている途中で、レセプト点検までは任せられない。教える側も通常業務を抱えているため、締切が近づくと「私がやった方が早い」と引き取ってしまう。
こうなると、人は増えても、負担の大きい仕事は同じ人に残ります。
特に、点検の手順や判断の根拠が担当者の頭の中にある場合は、引き継ぎに時間がかかります。新人は何を見ればよいかわからず、教える側も、どこから説明すべきか迷います。
採用を進めるなら、入職後に担当してもらう仕事を具体的にしておきたいところです。
最初はどこまで任せるのか。困ったときは誰に聞くのか。どの作業は経験者が確認するのか。そこまで決まっていれば、教える側も見通しを持てます。
「入ってから考えよう」では、忙しい現場に教育の負担がそのまま乗ってしまいます。
人の手が必要な仕事に、時間を残せているか
患者さんが受付で不安そうにしている。説明が伝わらず、もう一度話を聞く必要がある。医師や看護師に確認して、対応を調整する。
こうした場面では、その場にいるスタッフの対応が欠かせません。
その一方で、パソコンの画面を開き、決まった項目を照合し、次のレセプトでも同じ確認を繰り返す作業があります。
そこに時間を取られ、患者対応と点検の両方が中途半端になっているなら、自動点検ツールなどで支援できる部分を探してみてもよいでしょう。
レセプト点検には、データに沿って確認できる項目と、診療内容や記録を踏まえた判断が必要な項目があります。ツールが対応できる範囲を確認し、担当者が見る作業との分担を考えます。
繰り返しの照合が軽くなれば、その時間を患者対応や、経験が必要な確認に回せる可能性があります。自院ではどの仕事に時間を戻したいのか、スタッフと話してみてください。
「点検そのもの」に使っている時間を把握する
給与の総額だけを見ても、レセプト点検にいくらかかっているかはわかりません。
受付や電話対応も含む勤務時間を、すべて点検時間として計算すると、実態から離れてしまいます。まずは、点検とその関連作業に使っている時間を分けて見ます。
- レセプトを確認している時間
- 医師への確認事項を整理し、回答を反映する時間
- 修正や再確認にかかる時間
途中で受付や電話に対応している場合は、その時間を区別できる範囲で記録します。一か月だけでも把握できれば、どこに手間がかかっているかが見えてきます。
また、点検時間が短くなっても、固定給のスタッフの給与がその分減るわけではありません。
残業を減らせるのか。受付に回れる時間が増えるのか。増員せずに対応できる余地が生まれるのか。自院で得たい効果を決めておくと、費用をかける価値があるか判断しやすくなります。
自動点検ツールは、導入後に残る作業まで含めて比べる
利用料金が手頃でも、結果を確認するために何時間もかかるなら、期待したほど負担は減りません。
ファイルを準備する、点検結果を読む、必要な箇所を確認して修正する。導入後も残る作業を含めて、全体でどれだけ時間が浮くかを見極めましょう。
使う前に確かめたいのは、次のような項目です。
- 今、時間がかかっている点検項目に対応しているか
- 指摘内容を見て、何を確認すればよいかわかるか
- 確認不要の指摘を処理する手間が多くないか
- 毎月のデータ準備や受け渡しを無理なく行えるか
できれば、自院のデータで試し、普段点検しているスタッフに結果を見てもらいます。
「この確認が出るのは助かる」「これは毎回出ても困る」。そうした反応を聞く方が、機能一覧だけを眺めるより、現場で使えるか判断しやすくなります。
担当者が慣れるまでの手間もあります。最初の一回で結論を急がず、従来の方法とどこが変わるのかを確かめてください。
採用するなら、「任せたい仕事」が見えてから
業務を見直しても人手が足りないなら、採用を進める必要があります。
そのとき、午前中の受付を任せたいのか、請求業務を担当できる人が必要なのかがわかっていれば、募集条件も、入職後の教え方も具体的になります。
一方、毎月の目視チェックを仕組みで支援できれば、今いるスタッフの一日の終わり方が変わるかもしれません。
診療後も黙々と画面を見続けていた人が、片づけを終えて帰れる。月初に後回しにしていた仕事に手をつけられる。そうした変化が出るかどうかを、自院の作業で確かめてみる価値はあります。
「一人増やすしかない」と決める前に、残業しているスタッフが何を見ているのか、一度隣で見せてもらう。その時間が、採用と業務改善のどちらに費用をかけるべきか考える出発点になります。
点検の時間とコストを見直す、HUMEDITのレセコンAI
HUMEDITのレセコンAIは、レセプト電算処理用ファイル(UKE)をもとに、算定漏れや返戻リスクが疑われる箇所を整理し、医療機関での確認を支援します。
毎月の点検に時間がかかる。ベテランスタッフに仕事が集中している。増員を考えているけれど、まずは今の作業を軽くできないか確かめたい。
そのような場合に、レセプト点検の時間とコストを見直すためのサービスです。結果の最終確認と修正は、医療機関で行います。
自院の点検作業にどう取り入れられるか、まずはご相談ください。