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共同親権とDNA鑑定|親子関係と2024年改正を解説

この記事でわかること

  • 2024年(令和6年)の民法改正で離婚後の共同親権が導入された経緯と、施行日が2026年(令和8年)4月1日と定められていること
  • 「親権」と「法律上の親子関係」がまったく別のものだという整理
  • DNA鑑定が親子関係の争いで関わる場面と、鑑定だけでは法律上の関係が自動的に変わらない理由
  • 父子関係や認知、養育費をめぐって鑑定が使われるケース
  • 手続きの窓口は家庭裁判所・弁護士であること、相談先の探し方
  • 制度の細目は流動的なため、最新情報を公的機関で確認すべき理由

共同親権とDNA鑑定は、どちらも子どもをめぐる問題に関わりますが、直接つながる制度ではありません。2024年(令和6年)の民法改正で離婚後の共同親権が導入され、その施行日は2026年(令和8年)4月1日と定められています。一方でDNA鑑定は、法律上の親子関係に争いがあるときに使われる検査です。この記事では、両者の関係を法律の視点から整理し、どんな場面で鑑定が関わるのかを、断定を避けながら丁寧に解説します。制度の細目は変わりうるため、実際の判断は最新の情報とともに専門家へご相談ください。

共同親権とDNA鑑定の関係を最初に整理する

共同親権は「誰が子どもの親権を持つか」の制度、DNA鑑定は「生物学上の親子関係を調べる」検査であり、目的の異なる別々のものです。まずはこの前提を押さえると、話が整理しやすくなります。混同しやすい2つを、最初に切り分けておきましょう。

親権は、子どもの監護や教育、財産の管理などに関する権利と義務です。DNA鑑定は、親子に生物学的なつながりがあるかを科学的に調べるものになります。前者は法律上の身分と権利の話、後者は生物学的な事実の話。土台となる次元が違います。

私はこれまで、DNA鑑定の相談で「鑑定さえすれば親権が決まるのですか」という質問を受けることが何度かありました。結論から言えば、そうではありません。鑑定は事実を示す材料の一つで、親権を直接決めるものではないのです。この違いを知るだけで、必要以上に不安を抱えずに済みます。

共同親権とは|2024年の民法改正で変わったこと

2024年(令和6年)の民法改正により、離婚後も父母双方が親権を持つ「共同親権」を選べるようになりました。これまでの制度からの大きな転換です。まずは、いつ何が決まったのかを正確に確認しておきましょう。

これまでは離婚後「単独親権」が原則だった

従来の民法では、離婚するときに父母のどちらか一方だけを親権者に定める必要がありました。いわゆる単独親権です。離婚後にもう一方の親が子どもの養育に関わりにくい、という課題が長く指摘されてきました。この点を見直す議論が積み重ねられてきた経緯があります。

2024年(令和6年)の民法改正と施行日

離婚後の共同親権を導入する改正民法は、2024年(令和6年)5月17日に成立し、同月24日に公布されました。そして施行日は、政令で2026年(令和8年)4月1日と定められています。成立・公布と施行のタイミングが違う点に注意してください。

つまり、法律ができた年(2024年)と、実際に運用が始まる日(2026年4月1日)は別のものです。「共同親権はもう始まっているのか」と迷う方が多いのですが、施行日という区切りがあると理解しておくと安心です。制度の細目や運用は今後変わる可能性もあるため、最新の内容は法務省の民法改正の解説ページで確認してください。

共同親権と単独親権の選択

改正後は、離婚のときに共同親権と単独親権のどちらにするかを選べる形になります。父母の協議で決まらない場合は、家庭裁判所が子どもの利益を考えて判断します。下の表で、従来と改正後の違いを整理しました。

項目これまで(従来)改正後(2026年4月1日施行)
離婚後の親権父母どちらか一方の単独親権が原則共同親権と単独親権を選択できる
決め方協議で親権者を定める協議、まとまらなければ家庭裁判所が判断
判断の基準子の利益子の利益(一貫して重視される)

あくまで「選べるようになる」という点がポイントで、すべての離婚が自動的に共同親権になるわけではありません。個別の事情によって結論は変わるため、具体的なケースは弁護士に相談してください。裁判所は子どもの利益を軸に判断します。

親権と「法律上の親子関係」は別のもの

親権は子どもを監護・教育する権利義務、法律上の親子関係は「誰が法律上の親か」という身分関係であり、両者は区別して考える必要があります。ここを混同すると、DNA鑑定の位置づけを見誤ります。まず言葉の意味をそろえておきましょう。

親権とは(監護・教育・財産管理)

親権とは、未成年の子どもを育て、しつけ、財産を管理するための権利であり義務です。子どもの住む場所を決めたり、教育の方針を決めたりする権限が含まれます。共同親権になれば、こうした重要な事項を父母が話し合って決める場面が増えます。あくまで「養育に関わる権限」の話です。

法律上の親子関係(嫡出推定・認知)

一方、法律上の親子関係は「誰が法律上の父・母か」という身分の問題です。婚姻中に生まれた子は夫の子と推定される嫡出推定の仕組みや、婚姻外の子を父が認める認知など、法律で定められた枠組みで決まります。生物学的なつながりと法律上の親子関係は、必ずしも同じではありません。この身分関係が、親権を持てるかどうかの前提になります。

比較の観点親権法律上の親子関係
性質養育・教育・財産管理の権利義務誰が法律上の親かという身分関係
決まり方協議・家庭裁判所の判断嫡出推定・認知・裁判などの手続き
DNA鑑定との関係直接は決めない争いがあるとき証拠になりうる

親権を語る前に、まず「誰が法律上の親か」が定まっている必要があります。親子関係そのものに争いがあると、そもそもの土台が揺らぎます。DNA鑑定が関わってくるのは、主にこの土台の部分です。

DNA鑑定が親子関係の争いで関わる場面

DNA鑑定は、父子関係に争いがあるときに、生物学的なつながりを示す証拠として使われることがあります。親権そのものを決める道具ではなく、親子関係の事実を確かめる材料という位置づけです。代表的な場面を見ていきましょう。

父子関係に争いがあるとき

「本当に自分の子どもなのか」という疑問が生じたとき、DNA鑑定が話題になります。婚姻中に生まれた子には嫡出推定が働くため、その関係を争うには嫡出否認や親子関係不存在確認といった法的手続きが必要です。鑑定結果は、そうした手続きのなかで判断材料の一つになります。誰の子か分からず悩むケースの全体像は、誰の子かわからないときのDNA鑑定の解説でも整理しています。

認知や養育費をめぐる場面

婚姻外で生まれた子について、父に認知を求める場面でもDNA鑑定が関わります。認知されると法律上の父子関係が生じ、養育費の請求や相続の権利にもつながります。逆に、養育費や嫡出否認をめぐって関係を見直す場面でも、鑑定が検討されることがあります。離婚と養育費の関係については、離婚後のDNA鑑定と養育費・嫡出否認の基礎知識でくわしく解説しています。

鑑定だけで法律上の関係は自動的に変わらない

DNA鑑定で生物学的なつながりが否定されても、それだけで法律上の親子関係が自動的に消えるわけではありません。ここは誤解の多いところです。法律上の父子関係を変えるには、家庭裁判所での手続きを経る必要があります。鑑定結果は強力な材料になりますが、手続きを飛び越えて結論が決まるものではないのです。

また、手続きには申立てができる人や期間の制限が定められている場合があります。鑑定の前に、自分のケースでどんな手続きが可能かを確認しておくことが大切です。判断に迷うときは、自己流で進めず専門家に相談してください。

手続きは家庭裁判所・弁護士へ|鑑定の進め方

親子関係や親権をめぐる法的な手続きは、家庭裁判所と弁護士が中心となって進みます。DNA鑑定を法的な場面で使うなら、私的な鑑定と法的な鑑定の違いを知っておくと役立ちます。まずはその区別から確認しましょう。

私的鑑定と法的鑑定の違い

自分たちで検体を送って結果を知る私的鑑定は、まず事実を確かめたいときに向いています。一方、裁判で証拠として使うことを想定した法的鑑定は、本人確認や採取の立ち会いなど手続きの厳格さが求められます。目的によって選ぶべき鑑定が変わります。両者の違いは、親子鑑定の方法と精度の解説でくわしく整理しています。

家庭裁判所での手続きの一般的な流れ

親子関係や親権が争いになったときの、おおまかな流れは次のとおりです。個別の事情で変わる部分があるため、あくまで一般的なイメージとして参考にしてください。

  1. 弁護士や法テラスなどに相談し、自分のケースで可能な手続きを確認します。
  2. 必要に応じて家庭裁判所に調停や訴えを申し立てます。
  3. 親子関係の判断材料として、DNA鑑定が行われることがあります。
  4. 裁判所が事情と証拠をふまえて判断します。
  5. その結果を前提に、親権や養育費などの取り決めへ進みます。

家庭裁判所でのDNA鑑定と証拠の役割については、子供のDNA鑑定と家庭裁判所の解説でも手続きの詳細を紹介しています。どの手続きが自分に当てはまるかは、専門家と一緒に確認するのが確実です。

相談先と最新情報の確認|法務省・法テラス

制度の細目は流動的なため、判断の前に必ず公的機関や弁護士で最新の情報を確認してください。共同親権をめぐる制度は、施行に向けて運用の詳細が整えられていく分野です。信頼できる窓口を知っておくと迷いません。

費用の面で弁護士相談をためらう方もいますが、法テラスには収入などの条件に応じた支援があります。まずは一人で抱え込まず、公的な窓口に問い合わせてみてください。早めの相談が、選べる手段を広げます。

HUMEDITのDNA鑑定・遺伝子検査への取り組み

株式会社HUMEDITは、板橋衛生検査所を自社で運営し、検査の一次データを扱う立場からDNA鑑定・遺伝子解析に取り組んでいます。親子関係の確認は、結果の意味を正しく理解してはじめて役に立ちます。どんな鑑定が目的に合うのか、その入り口の疑問こそ、専門家と整理する価値があります。鑑定をご検討の方は、HUMEDITのDNA親子鑑定をご確認ください。

法律に関わる判断は弁護士や家庭裁判所が担い、私たちは科学的な検査の面から支える立場です。事業の内容はHUMEDITの遺伝子検査事業のページで紹介しています。鑑定や検査についての疑問は、お気軽にお寄せください。

よくある質問(FAQ)

共同親権とDNA鑑定について、寄せられやすい疑問をまとめました。個別の法的な判断は、弁護士や家庭裁判所への相談が前提となる点にご留意ください。

Q1. 共同親権はいつから始まりますか?

離婚後の共同親権を導入する改正民法は、2024年(令和6年)5月に成立・公布されました。施行日は政令で2026年(令和8年)4月1日と定められています。成立の年と施行の日は別のものです。制度の細目は変わりうるため、最新の内容は法務省など公的機関で確認してください。

Q2. DNA鑑定をすれば親権が決まりますか?

決まりません。DNA鑑定は生物学的な親子関係を調べる検査で、親権を直接決めるものではありません。親権は、父母の協議や家庭裁判所の判断で、子どもの利益を基準に定められます。鑑定はあくまで、親子関係に争いがあるときの判断材料の一つです。

Q3. 親権と法律上の親子関係はどう違うのですか?

親権は、子どもを監護・教育し、財産を管理する権利義務です。法律上の親子関係は、誰が法律上の父・母かという身分関係を指します。親権を持つ前提として、まず法律上の親子関係が定まっている必要があります。DNA鑑定が関わるのは、主にこの親子関係に争いがある場面です。

Q4. DNA鑑定の結果が出れば、法律上の父子関係はすぐ変わりますか?

すぐには変わりません。鑑定で生物学的なつながりが否定されても、法律上の父子関係を変えるには、家庭裁判所で嫡出否認や親子関係不存在確認などの手続きを経る必要があります。手続きには申立てができる人や期間の制限がある場合もあるため、弁護士に確認してください。

Q5. どこに相談すればよいですか?

親子関係や親権の法的な手続きは、弁護士や家庭裁判所が窓口です。費用が心配な場合は、法テラス(日本司法支援センター)で無料相談や弁護士の紹介を受けられます。DNA鑑定そのものについての疑問は、検査を扱う機関に問い合わせるとよいでしょう。

Q6. 私的なDNA鑑定でも裁判の証拠になりますか?

自分たちだけで受ける私的鑑定は、まず事実を知る目的には役立ちますが、裁判での証拠力は限られる場合があります。裁判で使うことを想定するなら、本人確認や採取の立ち会いなどが整った法的鑑定が向いています。どちらが必要かは、目的と手続きに応じて弁護士と相談してください。

まとめ

共同親権とDNA鑑定は、どちらも子どもをめぐる問題に関わりますが、直接つながる制度ではありません。共同親権は2024年(令和6年)の民法改正で導入され、施行日は2026年(令和8年)4月1日と定められています。DNA鑑定は、法律上の親子関係に争いがあるときの判断材料であり、親権を直接決めるものではありません。鑑定で生物学的なつながりが否定されても、法律上の関係を変えるには家庭裁判所の手続きが必要です。制度の細目は流動的なため、最新の情報は法務省など公的機関で確認し、具体的な手続きは弁護士や法テラスに相談してください。事実と法律の両面から、落ち着いて一歩ずつ進めていきましょう。

監修:岡 博史(おか ひろし)(ヒロクリニック統括院長/医学博士)

資格:日本皮膚科学会 皮膚科専門医/日本医師会産業医/CAPラボディレクター/東京衛生検査所 指導監督医

所属:医療法人社団福美会 理事

略歴:1996年 慶應義塾大学医学部 卒業/2004年 慶應義塾大学 医学博士号 取得/2005年 慶應義塾大学 皮膚科学教室 助手/2008年 ヒロ皮フ形成クリニック 開業/2009年 医療法人社団福美会 理事長/2015年 医療法人社団福美会 理事

担当分野:皮膚疾患・皮膚外科・医療情報全般の監修統括

情報発信YouTubeXInstagramWikipedia

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